ミヨルニル(その他表記)Mjöllnir

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミヨルニル」の意味・わかりやすい解説

ミヨルニル
Mjöllnir

北欧神話の雷神トル武器として愛用する,いかずちを象徴する鉄槌鍛冶名人の侏儒シンドリとその兄弟のブロックにより,オーディン黄金の指輪ドラウプニルおよびフレイ乗物の金毛のいのししと一緒につくられて献上され,神々により,すべての神宝のなかで最も貴重な品と判定された。伸縮自在で,ブーメランのように,敵に向って投げつけるとまたトルの手に戻り,また何をどのように強く打っても決して欠けることのない強力無比な武器だが,ただ製造の途中で,ブロックが悪神ロキの妨害にあい,ほんの一瞬間だけふいごを動かす手をとめたために,柄が少し短い欠点を有したという。

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デジタル大辞泉プラス 「ミヨルニル」の解説

ミョルニル

《Mjollnir》架空の武器のひとつ。北欧神話の戦神、トールが持つハンマー古ノルド語で「粉砕するもの」を意味する。ドヴェルグ族が作成してトールに献上し、これにより多く巨人を打ち倒したとされる。

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世界大百科事典(旧版)内のミヨルニルの言及

【トール】より

…妻はシブでスルーズヘイムに住む。投げれば敵を必ず倒す槌ミョルニルと力を倍にする力の帯,それに槌の柄を握る鉄の手袋をもつ。神々と人間の世界を巨人族から守るアース神族随一の力の持主で,巨人スリュムのところでの奪われた槌のとりもどし,巨人ヒュミルとの豪快な大蛇釣り,巨人ゲイルロズ退治,巨人フルングニルとの決闘,ウートガルザロキの国への遠征などかずかずの興味深い話がある。…

※「ミヨルニル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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