日本大百科全書(ニッポニカ) 「フレデフォート・ドーム」の意味・わかりやすい解説
フレデフォート・ドーム
ふれでふぉーとどーむ
Vredefort Dome
南アフリカ共和国内陸部の自由州と北西州にまたがる、世界最大の隕石(いんせき)孔(クレーターcrater)。地表に現存する隕石孔としては最古のもの。カナダのサドベリーSudburyクレーター、メキシコのチクシュルーブChicxulubクレーターとともに、地球三大隕石孔に数えられている。2005年にユネスコ(国連教育科学文化機関)により世界遺産の自然遺産として登録された。
フレデフォート・ドームは南アフリカ北東部の都市ヨハネスバーグから南西へ120キロメートルほど離れた位置にあり、隕石孔の直径は最大190キロメートルに及んでいる。隕石の衝突があったのは20億2300万年以上前とされ、直径10~12キロメートルほどの小惑星が秒速10キロメートル以上で衝突したものと推測されている。ドームの周囲には急激な勾配で地層が立ち上がっている外輪山が形成されている。また、大量のマグマが急激に冷却されたことを示す地質が確認され、隕石衝突の衝撃と熱エネルギーによってマントルが融解したため、地表にマグマが噴出したと考えられる。そのため、ドーム付近には変質したさまざまな花崗岩(かこうがん)の地層が数多くみられる。
[編集部]