隕石孔(読み)いんせきこう(英語表記)meteorite crater

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

隕石孔
いんせきこう
meteorite crater

大きな隕石が惑星表面に衝突したために生じる凹状の孔。外形は一般にほぼ完全な円形をしており,孔の周囲には,孔の内部からの土砂の盛上がりがみられる。隕石孔の直径は,μm 程度のものから,数百 km 以上になるものまでいろいろあり,大きなものは中央に隆起がみられるものもある。隕石孔と火山の火口とは地形だけで判別するのはむずかしい。隕石孔の証拠としては,隕石の衝突で生じた高温・高圧によって岩石や鉱物が変成されたものが使われる。たとえば有名なアメリカ,アリゾナ州の隕石孔からは高圧下でなくては形成されることのないコーサイトスティショフ石が発見されたことから,これが隕石孔であることが明瞭に示された。地球のみならず,月や火星,水星など他の惑星や衛星にも多くの隕石孔がみられる。ただし隕石孔というと凹状孔の起源を指定してしまうので,起源をはっきりさせないで使う場合には日本語でもクレータと称することが多い。月のクレータやその他の天体のクレータの多くは,現在では隕石孔であると広く信じられている。

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世界大百科事典内の隕石孔の言及

【隕石】より

…南極隕石中には1g以下の小さいものがある。なお世界の各地には大昔巨大な隕石が落下してつくられたクレーター(隕石孔)が発見されており,北米アリゾナ州のバリンジャー隕石孔(直径1.2km)などは最も有名である。このような隕石孔をつくった隕石は数万tないし数十万tもの質量をもっていたにちがいない。…

【クレーター】より

…惑星の地形をあらわす言葉としてこれを使った最初の人はG.ガリレイで,月の表面にみられる多くの丸いくぼみにこの言葉をあてた。 ガリレイ以後,月の表面に大小さまざまのクレーターがあることが明らかになったが,この成因については〈隕石孔〉とする説と〈火山爆発〉とする説の2説の間に長い論争が1960年代の初めまで続いた。しかしこの論争も宇宙船による月の探査が進み,月面の詳細な地図がつくられるようになり,実験室や野外での火薬の爆発によってつくられる孔や高速物体の衝突によってつくられる孔についての研究が進むにつれて,〈火山爆発〉説は姿を消した。…

※「隕石孔」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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