化学辞典 第2版 「ブロック共重合」の解説
ブロック共重合
ブロックキョウジュウゴウ
block copolymerization
2種類以上の異なる化学構造をもつ繰返し単位セグメントを,互いに連結させた重合体がブロック共重合体で,このブロック共重合体を合成する重合反応をブロック共重合とよぶ.モノマーどうしがランダムに配列したランダム共重合体,交互に配列した交互共重合体と区別して用いられる.各セグメントの連結の仕方によりAB型,ABA型,ABC型などに分けられる.重合方法としては,リビング重合法(とくにアニオンリビング重合)を用いるのが一般的である.たとえば,ポリスチレンの重合をアルキルリチウムを開始剤として行い,反応終了後に第二成分としてブタジエンを添加する.スチレンのアニオン重合はリビング的に進行するため,活性末端をそのまま第二成分の重合の開始剤部位として利用できる.これを繰り返すことでABA型,ABC型共重合体が得られる.
また,ブロック共重合体は2種類の重合体末端どうしの反応によっても合成可能である.ブロック共重合体は,しばしばミクロ相分離構造をとることが知られている.ポリスチレン-ポリブタジエン-ポリスチレンブロック共重合体は,熱可塑性エラストマーとして特有の物性を示す.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報