ブロメライン(その他表記)bromelain

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブロメライン」の意味・わかりやすい解説

ブロメライン
bromelain

プロテアーゼ一種で,パイナップル Ananas comosus果実根茎に存在する。ペプチドおよびアミド結合加水分解,エステラーゼ作用,アシルアミノ酸アニリド合成作用などを示す。根茎粉末から水抽出した粗酵素品を精製すると約9%収率で高純度のものが得られる。糖2%を含む一種の糖蛋白質消炎酵素剤として利用する。古くブロメリン bromelinと呼ばれた酵素は,果実に存在するものに相当する。

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デジタル大辞泉プラス 「ブロメライン」の解説

ブロメライン

薬に含まれる成分ひとつ。抗炎症作用があり、アレルギー用薬、かぜ薬などに含有。

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栄養・生化学辞典 「ブロメライン」の解説

ブロメライン

 パインアップルに含まれるプロテアーゼ.システインプロテアーゼに属する.

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世界大百科事典(旧版)内のブロメラインの言及

【酵素剤】より

…また,乳糖不耐性の乳児(小腸に固有の消化酵素であるラクターゼの遺伝的欠損によってミルク中の乳糖が消化されず,下痢を起こしやすい)に対する補充療法剤としてのβ‐ガラクトシダーゼ(ラクターゼと同様に乳糖を消化しうる酵素)もこのカテゴリーに入る酵素剤である。
[いわゆる消炎酵素剤]
 キモトリプシン,ブロメラインその他の動植物,微生物起源のタンパク質加水分解酵素類や細菌細胞壁のムコペプチドの分解酵素であるリゾチームなどは,これらを内服した場合に種々の炎症症状を改善する作用,副鼻腔や気管支における分泌物,膿汁などの粘度を下げ排出を容易にする作用などが認められるとして,これらの目的で歯科領域,耳鼻咽喉科領域などで使用されているが,理論的裏づけは不明確のまま残されている。
[その他の酵素剤]
 ヒト尿から抽出されるウロキナーゼ(血液凝固機構によって析出凝固したフィブリンすなわち繊維素を溶解する作用をもつ繊溶系の活性化酵素)は,血栓性の疾患に対して血栓の溶解を期待する治療剤として静脈内に注射される。…

※「ブロメライン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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