日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブローディア」の意味・わかりやすい解説
ブローディア
ぶろーでぃあ
[学] Brodiaea
ユリ科(APG分類:キジカクシ科)ブローディア属の総称。北アメリカ原産で、約10種知られる。本属はもとは約40種を数えていたが、ほかの属に移されたものが多く、現在でも学説の定まらないものがある。園芸的には秋植え球根草として、広くブローディアの名で親しまれている。よく栽培されるものに次の各種がある。ユニフロラTristagma uniflorum (Lindl.) Traub(B. uniflora Engl.)はハナニラ(APG分類:ヒガンバナ科)ともいい、4~5月に約15センチメートルの花茎を出して、淡紫色を帯びた白色花を頂生する。ブリジェシーTriteleia bridgesii (Wats.) Greene(B. bridgesii Wats.)は5月下旬ころ、約45センチメートルの花茎を出し、青紫色花を散形に20~30個開く。小花柄は長いもので約6センチメートル。開花のさまは涼しげで、美しい。カリフォルニアは花茎は30~45センチメートルで、青紫色花の中形種。いずれも栽培は容易で、数年は植えたままでよい。
[平城好明 2019年4月16日]