ヒガンバナ科(読み)ヒガンバナか(その他表記)Amaryllidaceae

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒガンバナ科」の意味・わかりやすい解説

ヒガンバナ科
ヒガンバナか
Amaryllidaceae

単子葉植物のヒガンバナ目の1科。約 100属 1000種あまりがある。全体としてユリ科に似た形状をもつが,花の子房下位であること,花序が散形につき,その基部に薄い膜質の総包があることなどが,ユリ科との区別点とされる。しかしネギ属 Alliumなどは子房は上位でユリ科的であるのに,花序はヒガンバナ科的な散形であるなど,中間的な性質をもち,ユリ科に入れられたり,独立のネギ科とされることもある。同様にリュウゼツラン属 Agaveやユッカ属 Yuccaもこの科に入れられたり,独立してリュウゼツラン科 Agavaceaeとされたりして,分類学者の意見が分れるところである。花が美しいので園芸植物として栽培されるものも多い。アマリリスハマユウスイセンタマスダレ,イキジアなどの属がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒガンバナ科」の意味・わかりやすい解説

ヒガンバナ科
ひがんばなか
[学] Amaryllidaceae

単子葉植物。ユリ科に含まれることもあり、リュウゼツラン科を含める場合もある。多年草で、鱗茎(りんけい)がある。葉は根生し、線形。花序は散状、または単花である。花は両性、花被片(かひへん)は3枚ずつ内外二輪に並び、多くは下部が合着して花筒をつくる。雄しべは6本。雌しべは1本、三心皮性で子房は下位。暖帯から温帯にかけて世界的に分布し、65属約860種あり、スイセンやアマリリスなど栽培植物が多い。APG分類でもヒガンバナ科とされる。

[清水建美 2019年3月20日]

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