日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘプターキー」の意味・わかりやすい解説
ヘプターキー
へぷたーきー
Heptarchy
中世初期のイギリスにおいて、アングロ・サクソン人がブリタニアの島に定住してからエグベルト王により統一されるまで、互いに覇を競ったサセックス、ウェセックス、ケント、エセックス、イースト・アングリア、マーシア、ノーサンブリアの七王国をいう。最初の覇王はサセックスのエレ王(在位477ころ~491以後)、ついでウェセックスのキーウリンCeawlin王(593没、在位560~592)、ケントのエセルバートEthelbert(Aethelberht)王(552?―616、在位560~616)、イースト・アングリアのレッドワルド王(616~627年の間に死去)と続く。その後、ノーサンブリア、イースト・アングリアを制圧したマーシアのペンダPenda王(655没、在位632ころ~654)がイングランド中部を制し、オファOffa王(796没、在位757~796)時代の繁栄をみた。しかし、マーシアの発展に押されていたウェセックスにエグベルト王(在位802~839)が出て825年マーシア、829年ノーサンブリアを破り、ウェセックスによるヘプターキー統一の足掛りをつくった。
[富沢霊岸 2022年11月17日]