べけむ(読み)ベケム

デジタル大辞泉 「べけむ」の意味・読み・例文・類語

べけ◦む

[連語]推量助動詞「べし」の未然形古形「べけ」+推量の助動詞「む」》…に違いないだろう。…できるだろう。…がよいだろう。平安時代は漢文訓読的な文章に用いられ、「べけむや」の形で反語の意で用いられることが多い。
「何ぞたちまちに死ぬ―◦むやと」〈今昔・九・三一

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精選版 日本国語大辞典 「べけむ」の意味・読み・例文・類語

べけ‐む

  1. ( 「べし」の古い未然形「べけ」に推量の助動詞「む」の付いたもの ) 「べからむ」と同様の推量の意を表わす。係助詞「や」を伴い反語になることが多い。平安時代には、漢文訓読語として用いられた。
    1. [初出の実例]「多羅の菓生じぬ可くなり〈別訓 可(ベ)ケム〉」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)一)
    2. 「大いさ牛をかくす共云べけむ」(出典:俳諧・野ざらし紀行(1685‐86頃))

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