日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベニカヤラン」の意味・わかりやすい解説
ベニカヤラン
べにかやらん / 紅榧蘭
[学] Gastrochilus matsuran (Makino) Schltr.
ラン科(APG分類:ラン科)の常緑多年草。マツラン(松蘭)ともいう。樹上に着生し、偽球茎はない。葉は密に互生して2列に平たく並び、線状長楕円(ちょうだえん)形で長さ1~2センチメートル、通常紅紫色の斑点(はんてん)がある。5~8月、総状花序を腋生(えきせい)し、花を1~5個密に開く。花冠は黄緑色で紅紫色の斑点があり、半開して径約8ミリメートル。唇弁の基部は浅い杯(さかずき)状の距(きょ)になる。本州から九州に分布する。名は、全形がカヤランに似ており、葉や花に紅紫色の斑点があることによる。また、マツランは、マツに着生することが多いことによる。
[井上 健 2019年5月21日]
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