定比例の法則(広義のドルトンの法則)に従わない化合物に対し、定比例の法則を容認しなかったフランスの化学者ベルトレにちなんで提案された用語であるが、現在では不定比化合物non-stoichiometric compoundということが多い(定比化合物をドルトナイド化合物daltonide compoundという)。
固体化合物で成分元素の組成が簡単な整数比にならず、また一定にならないものをいう。混晶、固溶体、あるいは不純物を含む結晶なども含まれるが、結晶構造の研究が進むにつれて、複雑ながら一定組成のものと、本質的に不定比なものとの区別ができるようになってきた。金属の水素化物、酸化物、硫化物、13族~15族化合物などの侵入型あるいは欠損型固溶体に例が多く、物性的特性から光電材料、半導体、触媒などに利用されるものも多い。
[岩本振武]
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…定比例の法則にしたがわない化合物。不定比化合物,ベルトライド化合物berthollide compoundなどともいう。化合物は多くの場合定比例の法則にしたがい,構成元素の原子比が簡単な整数比となるのであって,通常の化学式や化学反応式などもこの法則の上にたって書かれている。…
※「ベルトライド化合物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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