普及版 字通 の解説
14画
[字訓] うったえる・あらそう
[説文解字]
[字形] 会意
二辛(しん)に従う。辛は入墨用の針の形。誓約のとき、違背することがあれば墨刑を加えるという自己詛盟をした。二辛をならべるのは、その当事者の誓約を示す。その辛を、誓約を収める器((さい))の上におく形は言、言とは誓言の意である。それで相訟することを辯(弁)といい、二人争うことを(きよう)という。羊神判の羊を、の上に加えた形は善。勝訴者をいう。〔説文〕十四下に「人(ざいにん)、相ひ與(とも)に(うつた)ふるなり」とし、二辛を罪人二人と解するが、二辛は立誓、罪の有無はその結果として定まるのである。〔新字鏡〕に「は治なり、なり、語對するなり、相ひふるなり、別る、なり、なり、なり、別なり」と、多くの訓を列ねている。
[訓義]
1. うったえる、あらそう。
2. 辯(弁)の初文。
[部首]
〔説文〕に辯一字を属する。は用例をみないが、辯の初文とみてよい字である。
[声系]
〔説文〕に声として辨(弁)・(弁)・・辮・辯など七字を収める。このうち争訟に関するものは辯の一字で、他はみな分辨の意をとる。
[語系]
・辯bianは同声。別biat、(判)phuan、(半)puan、piunはみな声義の関係があり、分別することをいう。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報