ベートリンク(その他表記)Otto von Böhtlingk

改訂新版 世界大百科事典 「ベートリンク」の意味・わかりやすい解説

ベートリンク
Otto von Böhtlingk
生没年:1815-1904

ドイツサンスクリット学者。ペテルブルグに生まれ,1855年にはロシアの学士院会員に選出され,イェーナに住み(1868),のちライプチヒに移った(1885)。その最も特筆すべき業績は,チュービンゲン大学のロートWalter Rudolf von Roth(1821-95)とともに理想的な協同作業の結果,《サンスクリット大辞典Sanskritwörterbuch》(1853-75)を編纂したことで,全7巻の大著は100年以上の生命を保ち,いまだにこれを超える辞典が現れない。また彼の《サンスクリット読本》(1845)は原典の選定,構成に他の追随を許さず,パーニニ文典に翻訳を付して出版した《パーニニ文典》(1887)はパーニニ研究の出発点となった。《インド箴言(しんげん)集Indische Sprüche》3巻(1870-78)はサンスクリットの諺約7500を集め,さらに《カービヤーダルシャ》(1890)は古典インド修辞学の基本を教えている。これらの業績により彼はインド古典研究の諸分野に画期的な貢献をした。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベートリンク」の意味・わかりやすい解説

ベートリンク
Böhtlingk, Otto von

[生]1815.6.11. サンクトペテルブルグ
[没]1904.4.1. ライプチヒ
ロシア生れの言語学者。後年ドイツで活躍サンスクリット語の研究を専門とし,『パーニニ文法』の校訂出版 (1839~40) と『サンスクリット語辞典』 Sanskrit-Wörterbuch (53~75) の編纂は,不朽の業績である。チュルク系のヤクート語の研究も行い,『ヤクート人の言語について』 Über die Sprache der Jakuten (3巻,51) はチュルク言語学の出発点となった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベートリンク」の意味・わかりやすい解説

ベートリンク
べーとりんく
Otto von Böhtlingk
(1815―1904)

ドイツのサンスクリット学者。ペテルブルグに生まれ、1868年イエナに至り、1885年ライプツィヒに移った。『サンスクリット語読本』(1845)、『パーニニ文典』(1887)、『インド箴言(しんげん)集』3巻(1870~1878)、『インド修辞学』(1890)など、サンスクリット語学、文学に優れた業績を残す。ロートRudolf Roth(1821―1895)とともに編んだ『サンスクリット大辞典』7巻(1853~1875)は斯学(しがく)の記念碑的事業で、いまなお生命を保っている。

[原 實 2018年8月21日]

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367日誕生日大事典 「ベートリンク」の解説

ベートリンク

生年月日:1815年6月11日
ドイツのサンスクリット学者
1904年没

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世界大百科事典(旧版)内のベートリンクの言及

【インド学】より

…1816年,シェジに師事したボップF.Bopp(1791‐1867)は,サンスクリットとヨーロッパの諸言語との親縁関係を証明し,それによって比較言語学が独立の学問として成立した。ヨーロッパにおけるインド研究は,ドイツのベートリンクOtto Böhtlingk(1815‐1904)とロートR.Roth(1821‐95)による膨大な《梵語辞典Sanskrit‐Wörterbuch》全7巻(1852‐75)として結実した。これは19世紀ヨーロッパにおける最大の研究成果である。…

【インド学】より

…1816年,シェジに師事したボップF.Bopp(1791‐1867)は,サンスクリットとヨーロッパの諸言語との親縁関係を証明し,それによって比較言語学が独立の学問として成立した。ヨーロッパにおけるインド研究は,ドイツのベートリンクOtto Böhtlingk(1815‐1904)とロートR.Roth(1821‐95)による膨大な《梵語辞典Sanskrit‐Wörterbuch》全7巻(1852‐75)として結実した。これは19世紀ヨーロッパにおける最大の研究成果である。…

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