ペルオキソチタン酸(読み)ペルオキソチタンサンエン

化学辞典 第2版 「ペルオキソチタン酸」の解説

ペルオキソチタン酸(塩)
ペルオキソチタンサンエン
peroxotitanic acid(peroxotitanate)

酸:H4TiO5(TiO3・2H2O)の組成のものは得られているが,H2TiO5,H4TiO8は得られていない.
塩:M2TiO5と,M4TiO8がある.【】H4TiO5:Ti塩の硫酸酸性水溶液にH2O2を加えると赤橙色液になる.これにNH3を加えると黄色の固体として得られる.Tiを中心にした,四面体型のTi(OOH)(OH)3構造.この赤橙色の呈色反応は鋭敏なので,Ti,H2O2検出に利用される.【】M2TiO5:たとえば,Na塩は,低温で,H4TiO5にH2O2共存でNaOHとを反応させると得られる.Na2TiO5nH2Oは,M2[Ti(O2)O2]・H2O2n′ H2Oである.黄色の粉末.HClで Cl2 を発生し,H2SO4でH2O2を発生する.【】M4TiO8:たとえば,K塩は,低温で新しいH4TiO5にH2O2と過剰のKOHとを作用させると六水和物が得られる.白色結晶.K4TiO8・6H2Oは,無色の結晶.[Ti(O2)4]4- を含む.結晶を硫酸デシケータ中に入れて脱水すると水と同時に酸素を失う.KIから I2 を遊離しない.水で O2 を発生して分解する.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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