ペンタエリトリトールテトラニトラート

化学辞典 第2版 の解説

ペンタエリトリトールテトラニトラート
ペンタエリトリトールテトラニトラート
pentaerythritol tetranitrate

C5H8N4O12(316.14).C(CH2ONO2)4.略称PETN.ペントリットともいう.ペンタエリトリトールを5倍量の濃硝酸に加え,15 ℃ 以下で反応させると得られる.無色の非吸湿性斜方晶系結晶.融点141.3 ℃,沸点200±10 ℃.密度1.77 g cm-3.発火点225 ℃(5 s).爆発熱6070 kJ kg-1.アセトン,酢酸メチルに可溶,エーテル,エタノールベンゼンに難溶,水に不溶.硝酸エステルとしては化学的に比較的安定であるが,熱に鈍感,衝撃には敏感で,爆発力もきわめて強力である.雷管添装薬導爆線の心薬,医薬用に血管拡張剤として用いられる.[CAS 78-11-5]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のペンタエリトリトールテトラニトラートの言及

【ペントリット】より

…化学式C(CH2ONO2)4。ペンタエリトリトール・テトラニトラートpentaerythritol tetranitrateの慣用名で,PETNとも略記される。用途の多い高性能爆薬の一つで,雷管の起爆性能を向上させる添装薬,導爆線の心薬,伝爆薬などに使われ,また他の爆薬や不活性物質と混合して,種々の軍用弾薬として使われる。…

※「ペンタエリトリトールテトラニトラート」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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