ペントリット(その他表記)penthrite

デジタル大辞泉 「ペントリット」の意味・読み・例文・類語

ペントリット(penthrite)

四硝酸ペンタエリトリトール慣用名硝酸エステル一種。高性能爆薬として知られ、雷管の起爆感度を向上させる添加物軍用爆薬として用いられる。化学式C(CH2ONO24 ペンタエリトリトールテトラニトラートPETN

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ペントリット」の意味・わかりやすい解説

ペントリット
penthrite

化学式C(CH2ONO24ペンタエリトリトール・テトラニトラートpentaerythritol tetranitrateの慣用名で,PETNとも略記される。用途の多い高性能爆薬の一つで,雷管の起爆性能を向上させる添装薬導爆線の心薬,伝爆薬などに使われ,また他の爆薬や不活性物質と混合して,種々の軍用弾薬として使われる。衝撃起爆感度が高く,威力も大で,伝爆性がよい。

 無色のプリズム状結晶で,結晶比重1.778,融点140.8℃,加熱すると185~190℃で爆発する。爆速は比重1.67で7975m/sである。ペントリットはペンタエリトリトールC(CH2OH)4を濃硝酸中にかくはん攪拌)下に仕込んで製造される。分離された粗ペントリットは水洗,100℃での熱水による常圧煮洗により安定化・精製される。煮洗の代りアセトンによる再結晶精製も用いられる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「ペントリット」の意味・わかりやすい解説

ペントリット

ペンタエリトリトール・テトラニトラートC(CH2ONO24通称。ペンタエリトリトールC(CH2OH)4を濃硝酸で処理して得られる白色結晶。融点140.8℃。加熱すると185〜190℃で爆発する。単独または他の爆薬と混合して炸薬(さくやく)に,単独で導爆線の心薬,雷管の添装薬に使用
→関連項目火薬雷管

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

化学辞典 第2版 「ペントリット」の解説

ペントリット
ペントリット
penthrit

[同義異語]ペンタエリトリトールテトラニトラート

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のペントリットの言及

【火薬】より

…ニトログリコール(エチレングリコールの二硝酸エステル,略称Ng)はNGと似た性質の爆薬であり,NGの不凍剤として混入して用いられている。ペントリット(略称PETN)は起爆感度や爆発威力の大きい高性能爆薬で,雷管の添装薬や導爆線の心薬あるいは軍用爆薬として用いられる。NC,NG,NgおよびPETNは炭素原子に-ONO2が結合した構造をもち,硝酸エステルに分類される。…

※「ペントリット」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android