化学式C(CH2ONO2)4。ペンタエリトリトール・テトラニトラートpentaerythritol tetranitrateの慣用名で,PETNとも略記される。用途の多い高性能爆薬の一つで,雷管の起爆性能を向上させる添装薬,導爆線の心薬,伝爆薬などに使われ,また他の爆薬や不活性物質と混合して,種々の軍用弾薬として使われる。衝撃起爆感度が高く,威力も大で,伝爆性がよい。
無色のプリズム状結晶で,結晶比重1.778,融点140.8℃,加熱すると185~190℃で爆発する。爆速は比重1.67で7975m/sである。ペントリットはペンタエリトリトールC(CH2OH)4を濃硝酸中にかくはん(攪拌)下に仕込んで製造される。分離された粗ペントリットは水洗,100℃での熱水による常圧煮洗により安定化・精製される。煮洗の代りにアセトンによる再結晶精製も用いられる。
執筆者:吉田 忠雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
…ニトログリコール(エチレングリコールの二硝酸エステル,略称Ng)はNGと似た性質の爆薬であり,NGの不凍剤として混入して用いられている。ペントリット(略称PETN)は起爆感度や爆発威力の大きい高性能爆薬で,雷管の添装薬や導爆線の心薬あるいは軍用爆薬として用いられる。NC,NG,NgおよびPETNは炭素原子に-ONO2が結合した構造をもち,硝酸エステルに分類される。…
※「ペントリット」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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