日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホシヨウジ」の意味・わかりやすい解説
ホシヨウジ
ほしようじ / 星楊枝
starry pipefish
[学] Halicampus punctatus
硬骨魚綱トゲウオ目ヨウジウオ科に属する海水魚。日本固有種で、相模(さがみ)湾以南の太平洋、山形県以南の日本海の各地に分布する。体がきわめて細長く、尾部が長く、肛門から尾びれ基底までの長さは鰓孔(さいこう)から肛門までの長さより長い。体の断面は肛門より前では六角形に近く、尾部では台形。吻(ふん)は目の後縁から鰓孔までの長さより長い。背びれ基底部の体輪(体を覆う環状の骨板)は隆起する。雄にはよく発達した育児嚢(のう)が尾部の腹面にある。体は茶褐色から赤褐色で、肛門より前の体輪の腹側面に黒く縁取られた青白色眼状斑(はん)が並ぶ。体一面に多数の小さい鮮青色の斑点が散らばる。体長は17センチメートルほどになる。水深15~20メートルの沿岸の砂泥底にすむ。
1993年に日本での分布が確認された、近縁種のタツウミヤッコHalicampus macrorhynchusは体の背面に大きな皮弁があり、眼状斑がないことで本種と区別できる。
[尼岡邦夫]