ホラアナグマ
学◆Ursus spelaeus 英◆Cave bear
食肉目クマ科に属する絶滅種。ヨーロッパの洞窟から多数の化石が見つかっており,マンモスゾウとならんで氷河時代を代表する動物。現生ヒグマより大きく,雄の成獣は肩高1.2mほど,体重450kɡ以上になった。頭骨の側面観では,前頭部から鼻部に著しい段差がある。植物食のおとなしい動物で,洞窟を居住や冬眠場所として利用。ヨーロッパの更新世中期前半の絶滅種を祖先に,更新世中期後半に現われ,更新世末に絶滅。クマ科の中でヒグマに最も近縁な種。分布はほぼヨーロッパに限られ,広域分布のヒグマとは対照的である。ヨーロッパ以外で本種とされた化石には同定に問題がある。旧石器時代人が本種の姿を線刻画に残している。参考文献:クルテン(1976) 『ホラアナグマ物語』
執筆者:河村 愛
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内のホラアナグマの言及
【クマ(熊)】より
…この類は更新世に栄えて,氷期には巨大なものもいたが,アンデスに小型のメガネグマ1種を残して更新世末にすべて絶滅した。ユーラシア大陸にいたクマ亜科のクマ族は,鮮新世末にツキノワグマ,アメリカグマなどの類と,ヒグマとホラアナグマの類に分かれ,更新世にヒグマからホッキョクグマが分かれた。北アメリカのアメリカグマは更新世前期に,ヒグマはその後期にアジアから移住したものである。…
【絶滅生物】より
…恐竜類も白亜紀末までに絶滅し,新生代まで生き続けた種は一つもない。恐竜類絶滅の原因はいまだ謎であるが,鮮新世初頭に北アメリカからアジアに進出し,ユーラシアとアフリカで繁栄した3本指のウマ,ヒッパリオン属が鮮新世末に絶滅したのは鮮新世後期に現れたウマ属との,ヨーロッパのホラアナグマが更新世末に絶滅したのはアジアからヨーロッパへ進出したヒグマとの競合の結果と見られている。競合は絶滅をうながす原因の一つである。…
※「ホラアナグマ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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