ホワイト案(読み)ホワイトあん(その他表記)White Plan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホワイト案」の意味・わかりやすい解説

ホワイト案
ホワイトあん
White Plan

国際通貨基金 IMF創設に関するアメリカ側草案で,正式には「連合国国際安定基金案」という。当時の財務省顧問 H.ホワイトの起草により 1943年に公表された。その基金的性格は,金本位制度の自動的な調節作用を,金の流出入ではなくて,安定基金という超国家的な機関の統制力で再現しようというもの。 44年春のニューヨークでの専門家会議でこのホワイト案を基調とし,イギリスからのケインズ案 (国際清算同盟案) を加味した IMFの草案がつくられ,ブレトンウッズ会議 (連合国通貨金融会議) の討議を経て,44年7月 IMFの創設が決定された。

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世界大百科事典(旧版)内のホワイト案の言及

【国際通貨制度】より

…戦後の国際通貨制度の根幹となっている国際通貨基金(IMF)はこの協定にもとづき,47年3月に発足した。
[ケインズ案とホワイト案]
 ブレトン・ウッズ協定の成立に先だって,イギリスのケインズ案とアメリカのホワイト案という二つの対立する案が両国の間で討議された。前者は,国際取引によって生じる債権債務の最終決済を通貨当局間の帳簿上のつけ替えによって行う清算同盟方式を主張していた。…

※「ホワイト案」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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