ボナンパク(読み)ぼなんぱく(その他表記)Bonampak

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボナンパク」の意味・わかりやすい解説

ボナンパク
ぼなんぱく
Bonampak

メキシコ南部、チアパス州ラカンハ川流域にある小規模な祭祀(さいし)センター。マヤ文化古典期後期(600~900)に、おそらく30キロメートル北方のヤシュチランからの政治支配を受けながら機能していたらしい。この遺跡の一大特色は、1946年ジャイルズ・ヒーリによって発見された、小神殿の三つの部屋の壁に描かれた彩色画であり、儀式生贄(いけにえ)を捕らえるための襲撃奏楽踊りなどの光景が迫力あるスタイルで表現されている。ワシントンのカーネギー研究所がこの壁画の調査を行った。現地の絵の保存状態は悪いが、メキシコ市の国立人類学博物館庭園に、神殿と3室の壁画が完全に復原されている。

増田義郎

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android