日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボヘミアの農夫」の意味・わかりやすい解説 ボヘミアの農夫ぼへみあののうふDer Ackermann aus Böhmen ドイツ中世末期の文筆家ヨハネス・フォン・テープルの作品。1401年ごろ成立。愛する妻を奪った死神の無情を激しくなじる農夫と、人生、人知の無力をあざけり己の権利を主張する死神との34章にわたる論争対話編。すでにルネサンスの息吹を感じさせる農夫の人生謳歌(おうか)と、現世否定を基調とする死神の中世的死生観の対立が、みごとなレトリックとリズミカルな文章によって活写されている。[中島悠爾] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例