ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボレアス」の意味・わかりやすい解説
ボレアス
Boreas
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翻訳|Boreas
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…ティタン神族のヒュペリオンの娘で,太陽神ヘリオスと月の女神セレネの姉妹。同じくティタン神のひとりアストライオス(〈星男〉の意)とのあいだにゼフュロスZephyros(西風),エウロスEuros(東風),ノトスNotos(南風),ボレアスBoreas(北風)などの風神と,暁の明星その他の星を生んだ。ランポス(光)とファエトン(輝く者)という名の2頭の馬がひく戦車に乗り,太陽神の先駆けとなって大空をはせる女神は,ホメロスの叙事詩に〈ばら色の指をもてる〉〈サフラン色の衣をまとえる〉女神と歌われている。…
…日本では大阪湾,東京湾,伊勢湾,有明湾などが高潮の起こりやすい地域とされている。【花房 竜男】
【神話】
ギリシア神話では風神はまず,西風ゼフュロスZephyros,北風ボレアスBoreas,南風ノトスNotosに区別され,曙の女神エオスとアストライオスがその父母とされている。ボレアスは,アテナイの王エレクテウスの王女オレイテュイアを自分の本拠地のトラキアにさらってきて,双子の息子カライスKalaisとゼテスZētēsを産ませた。…
…ギリシア伝説で,篤(あつ)くアポロンを崇拝する〈極北人〉。北風(ボレアスBoreas)のかなた(ヒュペルhyper)の四時光明に輝く国で至福の生を送っていると考えられた。前5世紀の歴史家ヘロドトスがアポロン誕生の聖地デロス島の住民の話として伝えるところによれば,かつてヒュペルボレオイは2人の乙女にアポロンへの供物を持たせてデロス島へ送り出したが,乙女たちが帰国しなかったため,以後は麦わらに包んだ供物を国境まで運んで隣国人に渡し,それをまた次の隣国人に転送してくれるようにと頼んだ。…
…古代ギリシアでは東西南北を表す象徴に風神の姿を用い,各風神の性格をそれに対応する方位の特徴とも関連づけた。すなわち北風の神ボレアスBoreasは厳しく荒々しい性質を持ち,西風の神ゼフュロスZephyrosは春と生命をもたらす優しい青年,南風の神ノトスNotosは力強く,また東風の神エウロスEurosは豊饒を恵む神とされる。ローマ時代を通じてこの4風神はさらに12方位の風神に拡張され,プトレマイオスの世界図をはじめ古地図の方位を示す装飾図像となった。…
※「ボレアス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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