岩屋(読み)イワヤ

デジタル大辞泉 「岩屋」の意味・読み・例文・類語

いわ‐や〔いは‐〕【岩屋/石屋/窟】

岩壁に自然にできた洞穴。また、岩に横穴を掘って住居としたもの。いわむろ。
[類語]洞窟洞穴ほらあな洞穴どうけつ岩窟石窟山窟鍾乳洞洞門岩陰風穴空洞

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日本歴史地名大系 「岩屋」の解説

岩屋
いわや

岩屋峠の南約二〇メートルに位置する奈良時代の石窟寺院跡。国指定史跡。大小二つの石窟があり、大きいほうは間口七メートル・奥行四メートル・高さ六メートルで、北壁の上部に坐像の中尊と立像の両脇侍を浮彫する三体像がみられるが、剥落が著しい。小さいほうは間口一メートル、奥行二・五メートル、高さ一メートル前後。前者と同様石仏が認められる。さらに地山の凝灰岩を彫残して造られた現存高二メートルの三重層塔がみられるが、その上部を欠失しており当初から三重であったかどうかは不明。

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国指定史跡ガイド 「岩屋」の解説

いわや【岩屋】


大阪府南河内郡太子町山田にある石窟寺院跡。二上(ふたかみ)山廃寺跡という別称をもつ。鹿谷寺(ろくたんじ)の東側、二上山の標高360mの岩屋峠の南斜面に所在する。縁起などの記録類がまったく残っていないが、鹿谷寺と同じく、小規模ながら他に類例を見ない大陸の趣を伝える奈良時代の貴重な寺院跡であることから、1948年(昭和23)に国の史跡に指定された。岩屋は凝灰岩の崖を西南西に面して間口7.6m、奥行き4.5m、高さ6.1mの石窟をうがち、内部に基壇上に立つ多層塔を地山から造り出しており、北壁には仏像3体の浮き彫りがある。南側には小石窟が造られ、多重塔は頭部が破損しているが、現存部の高さは2.1m、3層まで確認できる。浮き彫りの石仏は剝落がはげしく像容などは不明である。796年(延暦15)に日本で鋳造された銭貨、隆平永宝(りゅうへいえいほう)が採集されていることから、創建は9世紀前半と考えられている。地元には中将姫(ちゅうじょうひめ)が当麻曼陀羅(たいままんだら)をここで織ったという伝説がある。近畿日本鉄道長野線喜志駅から金剛バス「山田」下車、徒歩約35分。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「岩屋」の意味・わかりやすい解説

岩屋
いわや

兵庫県南部、現在の淡路市(あわじし)の北部にあたる旧淡路町の中心集落。旧岩屋町。淡路北端明石(あかし)海峡に面し、明石市と高速船で結ばれている。『延喜式(えんぎしき)』に「石屋」でみえ、岩窟(がんくつ)を意味し、平安時代から瀬戸内海の重要な海港であった。岩屋温泉、海水浴場がある。

[編集部]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「岩屋」の意味・わかりやすい解説

岩屋
いわや

兵庫県淡路島の北端,淡路市の集落。旧町名。 1956年2町2村の合体により淡路町となり,2005年5町の合体により淡路市となった。島の北の玄関口。地元漁船の出入りも多く,1976年新港が建設された。また,本州四国連絡橋の一つ明石海峡大橋で対岸の神戸市と結ばれる。付近の絵島,大和島は海食で本島と切り離された美しい島。岩屋温泉があり,近年は保養・観光地となり,また明石市,神戸市への通勤者が増加している。

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