ポリデウケス(読み)ぽりでうけす(その他表記)Polydeukes

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポリデウケス」の意味・わかりやすい解説

ポリデウケス
ぽりでうけす
Polydeukes

ギリシア神話の双子神ディオスクロイの一人。ローマ名はポルックスPollux。父がゼウスであったため、一方のカストルとは異なり、不死の神性を受けていた。彼は父のゼウスに願い、自分の不死をカストルと分けあって1年の半分は天上で、もう半分は地上でいっしょに過ごせるようにしてもらったという。これはディオスクロイにちなんだ星座ふたご座Geminiが、1年のうち半年は毎夜同じ時刻に見えるのに、あとの半年は地平線に隠れて見えないことの説明ともなっている。ポリデウケスは、とくに拳闘(けんとう)の技に優れ、アルゴナウタイ遠征に参加したときにはアミコス王を破っている。カストルとともに叔父レウキッポスの娘フォイベを奪って妻とし、ムネシレオスをもうけた。

[伊藤照夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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