天上(読み)テンジョウ

デジタル大辞泉 「天上」の意味・読み・例文・類語

てん‐じょう〔‐ジヤウ〕【天上】

空の上。空。「天上の星」
天上界」に同じ。
天に昇ること。また、死ぬこと。昇天
それがしは雷であるが…只今落ちたが、何なりとも取り付く物があれば―すれども」〈虎明狂・
この上もないこと。最上。無上。
「やや子がかみそり持って遊んでゐるやうなもので、あぶない事の―ぢゃ」〈松翁道話・一〉
2階。階上
わしと順礼の女の衆は、―へ上がって寝ますべい」〈滑・膝栗毛・二〉

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精選版 日本国語大辞典 「天上」の意味・読み・例文・類語

てん‐じょう‥ジャウ【天上】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 天のうえ。空のうえ。高い空。
    1. [初出の実例]「我は天上(テンジャウ)織姫なるが」(出典:御伽草子・二十四孝(室町末))
    2. 「天上に天帝と申すたうとき神おわしまして」(出典:黄表紙・心学早染艸(1790)上)
    3. [その他の文献]〔易経‐大壮卦〕
  3. てん(天)(イ)
    1. [初出の実例]「彼の気調(みさを)恰も天上の客の如し」(出典:日本霊異記(810‐824)上)
  4. 世上のこと。世間。
    1. [初出の実例]「狭うても堺は、天上(テンジャウ)の静かな暮らし所ぢゃ」(出典:歌舞伎・宿無団七時雨傘(1768)一幕)
  5. この上もないこと。無上。最高。天井。
    1. [初出の実例]「金つかふて其様に気兼するは是たわけの天上と」(出典:洒落本・浪花今八卦(1773)枯梗卦)
  6. ( ━する ) 天にのぼること。天上界にのぼること。
    1. [初出の実例]「夫婦もろともに月に心をとめし故に、てんじゃうの果をうけ二の星なるとかや」(出典:曾我物語(南北朝頃)二)
    2. 「tenjǒ(テンジャウ)スル」(出典:日葡辞書(1603‐04))
  7. ( ━する ) 死ぬこと。死去。昇天。
    1. [初出の実例]「おや天上し給てのち、あまつかぜにつけてもおとづれ給はず」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
  8. 階上。二階
    1. [初出の実例]「天上へ上がってねますべい」(出典:滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)二)

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