ポリトロープ(その他表記)polytrope

改訂新版 世界大百科事典 「ポリトロープ」の意味・わかりやすい解説

ポリトロープ
polytrope

恒星は内部が高温高圧のガス球で,自分自身が作る重力と内部のガスの圧力がつり合って一定の大きさを保っている。このような恒星の内部がどのようになっているかを調べる研究は,恒星内部構造論と呼ばれ,20世紀初めエムデンR.Emden(1862-1940)らによって始められた。エムデンは,星の内部のガスについてその圧力p密度ρのべき乗に比例すると仮定して,平衡状態を調べ,内部の圧力,密度などの分布を求めた。このようなガス球をポリトロープと呼び,p∝ρ11/nと表現した場合のべき指数nポリトロープ指数という。その後,1920年代にA.S.エディントンは,放射平衡にある星の内部が指数3のポリトロープでよく近似できることを示し,これを〈標準モデル〉と呼んで,彼自身の内部構造論を完成させた。現在ではコンピューターを使ってポリトロープよりずっと精密な星の内部構造モデルが作られている。しかし,ポリトロープは星の内部構造の定性的性質を論じたりするのに今でも便利なモデルである。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

4月1日の午前中に、罪のないうそをついて人をかついでも許されるという風習。また、4月1日のこと。あるいは、かつがれた人のこと。四月ばか。万愚節。《季 春》[補説]西洋もしくはインドに始まる風習で、日本...

エープリルフールの用語解説を読む