ポルトラノ

百科事典マイペディア 「ポルトラノ」の意味・わかりやすい解説

ポルトラノ

13世紀ごろから大航海時代にかけて地中海地域で発達をみた一定の型の海図。獣皮紙に手書きされたものが多く,羅針盤の中心から放射する多数の方位線が特徴作図が簡単で航路直線で求められる。海岸線などは当時としては正確に描かれていたが,経緯線を用いる近代的投影法以前のもの。後期のものには米大陸,インド洋沿岸まで含まれていた。
→関連項目古地図

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のポルトラノの言及

【海図】より

…海図は13世紀に羅針盤の発明と航海技術の進歩に伴ってヨーロッパで発達した。ポルトラノPortolanoという当時の海図には,通常1~2個の方位盤compass roseから放射状に出る32本の方位線と海岸線,主要な沿岸地名が描かれている。沿岸の地形や島なども当時としては正確に描かれているが,各地点の位置は相対的なもので,天文観測により経緯度を決定したものではなかった。…

【地図】より

…しかし小地域図には宗教的色彩はなく,実用性は十分に考慮されている。 歴史時代を通じて海図は陸図に比して精度が高いが,13世紀ころから地中海の船乗りたちの間でポルトラノportolanoと呼ばれる海図が用いられ,大航海時代にも及んだ。方位線網が図面を覆っているのが特色で,羅針盤の登場がこの海図の誕生を促したといわれる。…

※「ポルトラノ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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