マッカーサー賞(読み)まっかーさーしょう(その他表記)MacArthur Fellows Program

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マッカーサー賞」の意味・わかりやすい解説

マッカーサー賞
まっかーさーしょう
MacArthur Fellows Program

格別な独創性に富んだ、献身的な活動を展開する個人を表彰する賞。アメリカでは通称ジーニアス・アワードGenius Award(天才賞)として広く知られており、マッカーサーフェローシップともよばれる。アメリカの市民権をもつ者とアメリカ居住者を対象に、芸術や文化、教育、社会、経済などをはじめとする広範な分野から、毎年1回、20~30人あまりを選出している。受賞者には5年間にわたり、総額62万5000ドルのフェローシップ(特別研究費)が支給される。同賞はアメリカの実業家であったジョン・D・マッカーサーJohn D. MacArthur(1897―1978)とその妻キャサリンCatherine MacArthur(1909―1981)の寄付により設立されたマッカーサー基金(事務局シカゴ)が、1981年に創設した。選考はさまざまな専門分野から選ばれた十数名の選考委員があたっており、構成メンバーや選考については、外部からの干渉なく、自由かつ率直に評価できるよう、公開されていない。

 1981年の1回目の表彰では、児童精神科医コールズRobert Coles(1929― )、文芸評論家ゲイツHenry Louis Gates, Jr.(1950― )、アメリカ先住民作家シルコウLeslie Marmon Silko(1948― )、詩人で作家のウォーレンなど、ピュリッツァー賞受賞者を含む21名が受賞した。2015年時点で累計942人が受賞している。

[編集部 2016年9月16日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android