日本大百科全書(ニッポニカ) 「マハナージ川」の意味・わかりやすい解説
マハナージ川
まはなーじがわ
Mahanadi
インド東部の川。マディヤ・プラデシュ州のダンダカーランヤ山地(標高800メートル)に発し、皿状のマハナージ盆地を北流し、セオナード川、ハスド川などの支流を集めて東流し、オディシャ(オリッサ)州に入ってマハナージ盆地の出口でイブ川をあわせる。この地点に1957年建設されたヒラクド・ダムがある。さらに南流し、テル川をあわせて東に流れ、オディシャ州屈指の都市カタクでデビ川を分流し、ベンガル湾に注ぐ。全長858キロメートル、流域面積13万2000平方キロメートル。マハナージとは「大きな川」の意である。上・中流域は赤色土、下流はマハナージ・デルタの沖積土が広がりヒラクド・ダムをはじめ灌漑(かんがい)水路が整備され、米、サトウキビ、豆類の生産が多い。中流域は山がちで雨量も1600ミリメートルと多く、森林が生い茂り、チャンダカ、マナナディなどの動物保護区が多く、トラ、ゾウをはじめ動物相も豊富である。
[成瀬敏郎]