日本大百科全書(ニッポニカ) 「マミン・シビリャーク」の意味・わかりやすい解説
マミン・シビリャーク
まみんしびりゃーく
Дмитрий Наркисович Мамин‐Сибиряк/Dmitriy Narkisovich Mamin-Sibiryak
(1852―1912)
ロシアの小説家。シビリャークはシベリアっ子の意で、筆名。ペルミの司祭の家に生まれる。ペテルブルグ大学中退。25歳から14年間ウラルのエカチェリンブルグに住み、1891年から首都圏に居を移して作家活動に従事した。1860~80年代の進歩的な社会運動や哲学の影響下に書かれ、作家に名声をもたらした長編『プリワーロフ家の巨富』(1883)、『金』(1892)などは、資本と労働に二極分解しつつあるウラルの鉱山の生活を扱う複雑な構成の叙事詩編であるが、記録文学風の短編群とともに、独自の民衆の生活・精神史となっている。
[島田 陽]