ロシア連邦中部、ペルミ州の州都で、ウラルの工業、交通の大中心都市。ウラル山脈中部西麓(せいろく)のカマ川にエゴシハ川が合流する地点にある。人口101万7100(1999)、100万7272(2012推計)。市域はおもにカマ川左岸に沿って延び、長さ50キロメートル、幅2~4キロメートルの細長い市街を形成し、ボルゴグラードやウクライナのドニプロに似た都市である。1940~1957年にはモロトフМолотов/Molotovと称した。1723年、当地に銅の精錬所がつくられたのが市の始まりであるが、その後この工場は閉鎖された。しかしカマ川の水運に恵まれ、シベリア鉄道が開通し、有利な地理的位置にあることから発展することとなった。ウラル産の金属の搬入、西部の消費地への製品輸送に便利であったので、1863年ウラルでもっとも大きな金属加工工場が建設された。また、19世紀末に木材加工、農産物加工の工業がおこった。
鉄道、ハイウェーの分岐点で、空港、河港を有し、工業はエカチェリンブルグと同様、機械工業が全生産物のなかばを占めるといわれる。造船業やモーター、電話機器、自動鋸(のこぎり)、電気機械などの生産が主要な工業である。そのほか、製紙、化学(染料、肥料、合成ゴム)、食品などの工業も発展している。ウラル最古(1916)の総合大学、鉱山、医科、薬科の各大学、石炭研究所、美術館、郷土博物館、劇場など、教育・文化施設も多い。
[中村泰三]
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ロシア連邦中部,同名州の州都。中部ウラル地方の西側にあり,人口98万9499(2004)。旧名モロトフMolotov(1940-57)。カマ川とその支流チュソバヤ川の合流点の少し下流に位置し,市街地はカマ川両岸にまたがるが,東岸のほうが大きい。河港,鉄道分岐点として交通の要衝である。工業都市としても重要で,石油精製,石油化学,木材加工,製紙,建築材料,機械製造,造船などの工業が発達している。17世紀初めには小村であったが,1723年に銅製錬所が建設され,81年にペルミ市と改称,96年には県庁所在地となった。19世紀後半から商業中心となり,1930年代から工業都市となり,第2次世界大戦中は前線への物資供給に重要な役割を果たした。54年にカマ川の少し上流にカマ水力発電所が完成し,それまでの電力不足が解消された。総合大学を含めて六つの高等教育機関があり,地方誌博物館,美術館がある。
執筆者:米川 哲夫
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