マリグラニュール(その他表記)marigranule

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マリグラニュール」の意味・わかりやすい解説

マリグラニュール
marigranule

生命の初期進化の条件を模倣した実験で得られた顕微鏡的形態。江上不二夫らが,最初期の進化は海中で進行したとの着想のもとに,各種無機イオンを含む原始海水類似の液中で,アミノ酸を重合させることにより,各種有形物を得た (1977) 。マリグラニュールの名は,海水中の顆粒を意味する。無機イオン濃度は現在の海水とは異なるが,ナトリウムのほかにマグネシウムカルシウム,銅,コバルトモリブデン,鉄,亜鉛などを微量ずつ含む。重合のためのアミノ酸は,(1) グリシンホルムアルデヒドを加える,(2) グリシンのみ,(3) グリシンと酸性および塩基性アミノ酸などで,条件により,球形板状など各種のものが得られている。

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