マルコ伝説(読み)マルコでんせつ

改訂新版 世界大百科事典 「マルコ伝説」の意味・わかりやすい解説

マルコ伝説 (マルコでんせつ)

南スラブ人の間で民族楽器グスレ(グスラ)にあわせて吟唱される一連の口承叙事詩の主人公マルコMarko王子にまつわる伝説。実在の人物である,中世セルビア王国の末期にマケドニア地方のプリレプを首都として君主を自称したブカシン王の長子マルコ王子(1335ころ-95)を原型とするが,叙事詩の主人公としてのマルコ像には,異教時代の神話や民話の主人公の超自然的能力,オスマン・トルコ支配時代の武力抵抗運動に活躍した山賊・義賊たち(いわゆるハイドゥク)の愛国心も結びつき,民衆の民族独立の悲願を象徴する英雄として口承文学上もっとも人気のある主人公である。ある場合にはオスマン帝国スルタン養子として勇敢に闘うとするものもあり,当時のバルカンの複雑な政治情勢を反映している。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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