化学辞典 第2版 「マルテーゼクロス」の解説
マルテーゼクロス
マルテーゼクロス
Maltese cross
偏光顕微鏡において,2枚の偏光板を直交させたとき(直交ニコル),観察される明暗の十字線をいう.一般に,球晶に観察される像で,この十字の方向は偏光子と検光子の方向と一致する.これはいわゆるコノスコープ像のことであって,視野内の一点がどのように見えるかは,その点に相当する光のリターデーションと振動方向とにより定まる.リターデーションの等しい点の軌跡は,単色光の場合には明暗の,白色光の場合には着色した輪をつくり,振動方向が上下両偏光板の振動方向と一致する点の軌跡は暗黒な線をつくる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報