マンジュ

旺文社世界史事典 三訂版 「マンジュ」の解説

マンジュ(満州)

清朝が自民族や国名を表したことば
現在の中国東北地方には,戦国時代に粛慎 (しゆくしん) が住んでいたが,戦火をさけて移住してきた漢民族が開拓した。特に前漢の武帝のころには漢文化の影響を受けながら,夫余 (ふよ) ,ついで高句麗 (こうくり) がおこり,北朝鮮まで支配下に入れた。7世紀末より渤海 (ぼつかい) が強大になるが,10世紀にはモンゴル地方からでた契丹 (きつたん) 族が遼 (りよう) を建て,中国を脅かした。ついで女真 (じよしん) 族が勢力を得,国号を金と称し,遼を滅ぼして宋を南に追ったが,モンゴル(元)に滅ぼされた。元は遼陽行省を置いてこの地と朝鮮を支配,明は永楽帝のころは経営につとめたが,その中期以後になると女真が興起して清を建てた。清を建てた女真族は,自分たちが文珠菩薩を信仰するところから,自民族をマンジュと称するようになり,この地を満州と呼んだ。日清戦争後,列強の中国分割が激化すると,この地方はロシアの勢力範囲とされ,日露戦争後,租借地の関東州と南満州鉄道を利用した日本が進出し,満州事変をへて満州国を建てた(1932)。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

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