マーベリー対マジソン事件(読み)マーベリーたいマジソンじけん(その他表記)Marbury v. Madison

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

マーベリー対マジソン事件
マーベリーたいマジソンじけん
Marbury v. Madison

19世紀初頭のアメリカで行政,立法,司法の三権のうち,司法権の優越を確立する方向を示した連邦最高裁判所の判断が出された事件。 T.ジェファーソン大統領の任期中の 1803年,前大統領 J.アダムズによって任命された連邦派の最高裁判所長官 J.マーシャルは,三権の平等が三権の相互対立を招くことを恐れ,マーベリー対マジソン事件 (アダムズ大統領は任期満了直前に多数の治安判事を任命したが,マーベリーら数名には次期大統領ジェファーソンの命令で辞令書が交付されなかった。これに対してマーベリーらが辞令書の交付命令を求めて新国務長官 J.マジソンを相手に最高裁判所に訴えた事件) を契機に,最高裁判所が違憲立法の審査権をもつことを主張し,実際に 1789年の裁判所法を審査しその一部が違憲 (連邦憲法は,最高裁判所の第1審管轄事項を限定しており,そのなかには辞令書交付を命じる権限は含まれていない。したがって,その管轄権を与えた裁判所法第 13条は,憲法に違反する無効な法律である) であると判決し,マーベリーらの請求を棄却した。

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