マーラティー・マーダバ(その他表記)Mālatī-Mādhava

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マーラティー・マーダバ」の意味・わかりやすい解説

マーラティー・マーダバ
Mālatī-Mādhava

インドサンスクリット劇。8世紀前半頃の劇作家ババブーティ作。プラカラナという形式戯曲で 10幕から成る。パドマバティー国の宰相の娘マーラティーと,ビダルバ国の宰相の息子マーダバとの恋愛が,さまざまの波乱を生んで,ついに2人が結婚するまでの経緯を扱う。インド古典劇の傑作

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マーラティー・マーダバ」の意味・わかりやすい解説

マーラティーマーダバ
まーらてぃーまーだば
Mālatīmādhava

8世紀ごろ活躍したインドの劇作家ババブーティ作のサンスクリット戯曲。作者の代表的傑作で、10幕からなり、パドマバティー国の宰相の娘マーラティーとビダルバ国の宰相の息子マーダバとの恋愛が幾多の波瀾(はらん)を生み、めでたく結婚に至る経緯の物語。サンスクリット戯曲中屈指の恋愛劇といわれている。

[田中於莵弥]

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世界大百科事典(旧版)内のマーラティー・マーダバの言及

【ババブーティ】より

…彼の作品は荘重で高尚な趣を主とし,こっけい,機知の要素に乏しく,道化役の登場しないことも特徴である。代表作《マーラティーマーダバMālatīmādhava》は10幕から成り,パドマーバティー国の宰相の娘とビダルバ国の宰相の息子との恋愛がさまざまな波乱を生んで,二人がめでたく結婚する経緯を物語っている。《マハービーラチャリタMahāvīracarita》と《ウッタララーマチャリタUttararāmacarita》は大叙事詩《ラーマーヤナ》から取材した7幕の劇で,前者はラーマ王子と妃シーターの結婚から,魔王を退治して凱旋するまでの物語を主題とするが,第5幕以下は他の作者の作といわれる。…

※「マーラティー・マーダバ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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