改訂新版 世界大百科事典 「ミアイ」の意味・わかりやすい解説
ミアイ
MIAI
植民地時代末期のインドネシアに成立したイスラム諸団体の連合体〈インドネシア・イスラム大会議Majlis Islamil A'laa Indonesia〉の略称。1937年9月,ムハマディヤとナフダトゥル・ウラマが協力して,スラバヤで設立された。イスラム諸団体のゆるやかな連合体として機能し,38年,39年にはインドネシア全イスラム会議を主催し,また,39年11月に大日本回教協会(会長,林銑十郎)が東京で開催したイスラム展にも代表を派遣した。日本軍政期の初期も,インドネシアのイスラム勢力の窓口として機能し,43年1月以降は独自の機関紙(隔週刊)《スアラ・ミアイ(ミアイの声)》を刊行した。しかし,日本軍政監部が,イスラム勢力の動員と制御の窓口を地方のキヤイやウラマー(いずれもイスラムの学者,指導者をさす)に求めるにつれてミアイの活動も低調となり,43年11月7日には,これに代わってマシュミ(インドネシア・イスラム協議会)が設立された。
執筆者:土屋 健治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報