化学辞典 第2版 「ミクロカノニカル集合」の解説
ミクロカノニカル集合
ミクロカノニカルシュウゴウ
microcanonical ensemble
系が指定された粒子数N,体積V,エネルギーEのもとで熱平衡状態にあるとき,体系に許されたすべての力学的状態(微視的状態)が等しい確率で出現している統計集団を,ミクロカノニカル集合または小正準集合とよぶ.古典力学的に表現すれば,6N次元の位相空間における状態点(q1,q2,…,q3N,p1,p2,…,p3N)が出現する確率分布ρは,その状態点が
E = const
の面上にある場合,つねに一定の値を示し,ほかの場合ρ = 0となる.このような分布はミクロカノニカル分布とよばれ,孤立系に対して統計力学的平均を求めるのに適している.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報