改訂新版 世界大百科事典 「ミタークシャラー学派」の意味・わかりやすい解説
ミタークシャラー学派 (ミタークシャラーがくは)
Mitākṣarā
インドの2ヒンドゥー法学派の一つ。1120年ごろ,デカンのカルヤーナに都したチャールキヤ朝ビクラマーディティヤ6世の大臣であったビジュニャーネーシュバラVijñāneśvaraの法律書《ミタークシャラー》に基づく学派。この書は《ヤージュニャバルキヤ法典》の注釈書で,ダルマ・シャーストラに基づきながら,8世紀以後の諸注釈を検討して,デカンの社会に適合した法規定,社会規範の体系を樹立した。権威書とされたこの書は,後世の法律書に大きな影響を与え,いくつもの注釈書が著された。ミタークシャラー学派の法は,とくに家族の財産と相続で合同家族の法を定めたことで有名であり,それはイギリス領時代にベンガルを除く全英領インドの法となり,今日に及んでいる。
→ダーヤバーガ学派
執筆者:山崎 利男
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