化学辞典 第2版 「デカン」の解説
デカン
デカン
decane
C10H22(142.29).CH3(CH2)8CH3.脂肪族飽和炭化水素,アルカンの一つ.炭素数10のアルカンには,現在までに物理定数の知られている構造異性体が75存在する.これらの異性体の総称として用いられる場合もあるが,このうち,直鎖状のものをとくにデカンといい,異性体と対比して正デカンあるいはn-デカンともよばれる.原油中に含まれるほかに,150~180 ℃ 留分のタール中にも含まれる.製法は,デカン酸または2,2-ジクロロデカンをヨウ化水素酸と赤リンとともに加熱する方法と,ナフサより分留する方法とがある.無色の液体.融点-29.66 ℃,沸点174.12 ℃.0.72625.1.40967.爆発範囲0.8~5.4体積%.有機合成原料および溶剤として用いられる.[CAS 124-18-5]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報