ミヤマネズ(読み)みやまねず

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミヤマネズ」の意味・わかりやすい解説

ミヤマネズ
みやまねず / 深山杜松
[学] Juniperus communis L. var. nipponica (Maxim.) Wilson

ヒノキ科(分子系統に基づく分類:ヒノキ科)の常緑低木。幹は多く地をはう。葉は3枚輪生し、長さ0.6~1.2センチメートル、幅1~1.2ミリメートル、表面はわずかに弓状に曲がってやや深くへこみ、裏面は白い。雌雄異株。8月、開花する。球果球形で頂は浅くへこみ、翌年熟すと藍黒(らんこく)色で白粉をまいたようになる。高山に生え、本州北部、北海道に分布する。名は、深山に生えるネズの意味である。変種として尾瀬(おぜ)の至仏(しぶつ)山以西から中部地方の高山にホンドミヤマネズ、北海道にリシリビャクシンがある。

[林 弥栄 2018年6月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のミヤマネズの言及

【ネズ】より

…ネズミサシ属は北半球に約15種があり,ビャクシン属Sabina約45種をこれに含めることもある。日本には,九州以北サハリンまでの海岸に生える匍匐(ほふく)性のハイネズJ.conferta Parl.,本州北部の高山に生える低木性のミヤマネズJ.communis L.var.nipponica (Max.) Wils.と北海道の高山からシベリアにかけて分布するリシリビャクシンvar.saxatilis Pall.があり,両変種の母種セイヨウネズ(英名common juniper)は北半球に広く分布し,幹が立って,ときに高さ6~7mに達する。その球果を入れた蒸留酒がジンである。…

※「ミヤマネズ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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