メサ型トランジスタ(読み)メサがたトランジスタ(その他表記)mesa transistor

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メサ型トランジスタ」の意味・わかりやすい解説

メサ型トランジスタ
メサがたトランジスタ
mesa transistor

ベース層をつくるのに半導体ウエハの片面から適当な不純物を拡散させる方法を用い,不要な部分を化学エッチングでメサ (スペイン語で台形) 状に取去ったトランジスタゲルマニウムを用いた例について示すと,p型ゲルマニウムにヒ素またはアンチモンなどの不純物を1μm程度の深さに拡散させてベース層をつくり,その上にマスクを通してアルミニウムおよび金-アンチモン合金を蒸着し,加熱合金化する。アルミニウムを蒸着した部分の下のゲルマニウムはp型となってエミッタ接合を形成し,金-アンチモンを蒸着した部分はベース電極となる。その後,不要部分を化学エッチングでメサ状に取去る。シリコンを用いた場合は,通常エミッタ接合も不純物拡散でつくる。成長接合型や合金接合型トランジスタに比べて薄いベース層を非常に精度よくつくれるので優秀な高周波特性が得られ,3000Hzぐらいの高い遮断周波数のものができる。しかし,のちに開発されたシリコンのプレーナ型トランジスタが同じすぐれた高周波特性をもち,しかも低周波での雑音が少く低電流での直流増幅率が大きいほか,素子の安定度,信頼度も高いため,メサ型トランジスタは次第に用いられなくなってきている。

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