山川 世界史小辞典 改訂新版 「メシア思想」の解説
メシア思想(メシアしそう)
messianism
救世主(メシア)待望の思想。ヘブライ人は王国の分裂と滅亡の悲運のなかにも,ダヴィデ王の子孫からメシアが出現し,神の国を実現することを待望した。他方イザヤ書には,みずから苦難をになう「主の僕」という異なったメシア像が述べられた。新約聖書のメシア思想はこの両者を結合し,十字架と復活のイエスこそ真のメシア,すなわちキリストであるとの信仰を告白し,キリスト教が成立した。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報