日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘブライ人」の意味・わかりやすい解説 ヘブライ人へぶらいじん 古代イスラエル人の別名。ヘブライ語のイブリーに由来し、「進みゆく」「越えてゆく」などの意味をもつ動詞イブルから転じて、「(ユーフラテス)川の向こうからきた者」を意味する。もともとは川を渡ってきた遊牧民集団をさしたものである。紀元前14世紀のアマルナ時代にシリア、パレスチナに出没した「ハピル(ハビル)」とよばれる集団と同一の範疇(はんちゅう)に属するといわれる。のちにイスラエル(「神が支配する」の意)が民族の選民としての自覚に基づく自称として用いられたのに対して、ヘブライは他民族によって世俗的名称として用いられた。[高橋正男] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例