日本大百科全書(ニッポニカ) 「メネラウスの定理」の意味・わかりやすい解説
メネラウスの定理
めねらうすのていり
三角形ABCにおいて頂点を通らない直線が三辺BC、CA、ABあるいはその延長と交わる点を、それぞれD、E、Fとするとき、各辺を内分あるいは外分する三つの比の積は1となる。すなわち
BD/DC・CE/EA・AF/FB=1
である。これをメネラウスの定理という。メネラウスMenelaus(生没年不詳)は100年ころアレクサンドリアで活躍した天文学者で、球面三角形についての類似の定理をも導いている。この定理の逆も成立する。すなわち、三角形ABCの辺BCの延長上に点Dが、辺CA、AB上に点E、Fがあり、前述の三つの比の積が1ならば、3点D、E、Fは一直線上にある。これは、3点とも辺の延長上にある場合も同様である。これらの定理は、3点が一直線上にあることを証明するのに用いられる。3点が一直線上にある定理を共線定理という。メネラウスの定理の逆の成立は共線定理の基本である。
[柴田敏男]