日本大百科全書(ニッポニカ) 「メノー」の意味・わかりやすい解説
メノー
めのー
Menno Simons
(1496―1561)
オランダの宗教改革者。再洗礼派(アナバプティスト)最大のグループであるメノナイトの創唱者。オランダのフリースラント生まれ。12年間、カトリックの牧師として働くうちにミサの儀式や幼児洗礼などの既成の信仰に疑問をもち、熱心な聖書研究のすえ、体験こそすべてに先行すべきであり、自覚的な洗礼と聖餐(せいさん)には根拠があるという結論に達した。メノーの信仰の中心は、「再生」とよばれる体験であり、そこから宗教の自由、教会と国家の分離の思想が導き出される。迫害のなかで、キリストの自由にたつことを主張し、徹底した無抵抗主義(平和主義)を唱え、徴兵制度を否定した。
[野村文子 2018年1月19日]
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