日本大百科全書(ニッポニカ) 「メモリアーレ」の意味・わかりやすい解説 メモリアーレめもりあーれIl memoriale イタリアの作家ボルポーニの小説。1962年刊。捕虜収容所から帰還した兵士=労働者の手記(メモリアル)。主人公「ぼく」は、近代的大工場に職を得て、まもなく結核療養を命ぜられる。これを陰謀と幻想して反抗を続け、やがて職を追われる。狂気の目を通して、疎外を生み出す現代の管理社会の状況を的確に、詩的暗示に富む文体で描き出す。[米川良夫]『大久保昭男訳『メモリアル』(1969・新潮社)』 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例