改訂新版 世界大百科事典 「メーマン」の意味・わかりやすい解説
メーマン
Theodore Harold Maiman
生没年:1927-
アメリカの物理学者で,レーザーの発明者。ロサンゼルスで生まれた。電気技術者であった父の影響から科学に興味をもち,コロラド大学電気工学科を卒業した。さらにスタンフォード大学でマイクロ波分光を研究し物理学の博士号を取得した。ヒューズ研究所に勤務中の1960年にレーザーを発明した。1958年にショーローA.H.SchawlowとタウンズC.H.Townesが光メーザーが可能であることを指摘して以来,その実現を目ざして研究者たちが競っていた。ガスを使うレーザーが有力と考えられていたが,メーマンは固体であるルビーを使って最初にレーザーを実現した。62年に独立してコラッド社を設立,産業用高出力レーザーの開発を行った。同社は68年にユニオン・カーバイド社に買収された。彼はその後,大規模集積回路の開発に従事した。
執筆者:高橋 雄造
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報