ルビー(読み)るびー(英語表記)ruby

翻訳|ruby

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルビー」の意味・わかりやすい解説

ルビー
るびー
ruby

赤色を呈するコランダム宝石名。紅玉(こうぎょく)ともいう。再結晶炭酸塩岩中、泥質岩起源の接触変成岩、あるいはこれらから導かれた砂鉱漂砂鉱床)中に産する。赤い色は三価のクロム(Cr3+)によるもので、多いものでは数%に及ぶ。合成ルビーも純粋なアルミナ溶融物に三二酸化クロム(Cr2O3)を添加してつくられる。鉱物学的諸性質は純粋なコランダムのものと一致するが、鉱物であるコランダムによくみられる裂開は発達しない。日本では大分県宇目(うめ)町(現、佐伯(さいき)市宇目)の木浦(きうら)鉱山閉山)から発見されたが、岐阜県や四国でも微量を産することが報告されている。主要産地はミャンマー、タイ、スリランカマダガスカルなど。ダイヤモンドのように安定した供給源がないため、これより価格は高い。宝石としてはダイヤモンドに次いで硬く、研磨剤、時計の軸受、レーザーなどに使用される。7月の誕生石。赤を意味するラテン語rubeusに由来する。

加藤 昭 2018年12月13日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ルビー」の意味・わかりやすい解説

ルビー
ruby

コランダム一種。赤色系統の色調を示すコランダムの美結晶に対する宝石名。赤色宝石の代表として古来珍重されている。7月の誕生石。赤色は主として微量に含まれているクロムによる。ミャンマーの接触交代鉱床,タイ,スリランカ,インドなどの漂砂鉱床が主産地。 1900年代初頭に A.ベルヌイユが溶融法 (→ベルヌイユ法 ) により初めて合成に成功。現在では熱水合成法によっても合成されている。世界最大のルビーはロシア皇帝の宝冠についていた 414.3カラットのもの。

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